2014年8月24日日曜日

第11回 The Primitives - Crash

この曲に限った話ではないのですが、80年代末の英国盤新譜を買う時には困ったリリース傾向が横行しておりました。つまり、ファンは同じシングルを何種類も買わされるという、どっかのアイドルの握手券がどうのといった話を笑えない商売にのせられまくっていたのです。イギリスのシングルチャートはフォーマットが異なっても同じ1枚のシングルとしてカウントするという方法だったらしく、それなら同じシングルを数種類(例えば、限定カラーレコード、ポスター付き、ゴミのようなバッジ付etc.)出せばファンは全部買ってチャートにも入るとレコード会社が考え、実際いくらかの効果があったという事でしょう。90年代以降CDがフォーマットの中心となり、アナログ盤を数種類製作するコストの高さもネックとなった為このようなリリース形態は廃れてしまいましが、現在でもよく見かける「初回のみDVD付き」とかいった商売の根っこはこの辺にあるのでしょうか?
そして今回のプリミティヴズです。この人達もこの手の売り方におもっいっきり乗っかっておりまして、イギリスで出た"Crash"アナログだけでも6種類。当然自分の田舎にそんなものが入ってくるわけもなく、彼らの人気もピークの頃だったので買うのも結構手間でした。
それで集まったのが上の6枚左上から順にレギュラー盤7インチ、限定33EP盤(A面にCrashが"again & again"とクレジットされ連続3回再生される)、レギュラー盤12インチ、下段左から限定ポスター付き12インチ、限定10インチ、限定サイン入り10インチとなってます。
12インチに収録されたデモ・ヴァージョンを聴くと、このアレンジでは売れなかっただろうし、当時のバンドではこのイントロを思いつかなかったのは明白であります。実際、ヒット曲にはイントロも大事だとプロデューサーのPaul Sampsonがアレンジしてくれたものらしい。曲のヒットを左右した部分を作ったにもかかわらず、プロデュースが自分の仕事だからと作曲のクレジットは要求しなかったそうです。その後彼らをプロデュースしたIan Broudieあたりとは違います。まあどちらが良い悪いという話ではないのですが。
 今回、このブログの趣旨から外れた話が長くなりましたが、ホワイト・レーベル盤もあります。
The Primitives / Crash (RCA PB 41761 : 1988)
 空ジャケットにそっけないPrimitives / Crashのスタンプ。盤は白ラベルと当時の人気を考えるともうちょっとギミックのあるプロモキットとか作ってないのと思ってしまうほど、メジャーとしてはシンプルな盤。"Crash Chocolate Bar"にプロモキット作成費用つっこみすぎたのでしょうか?このチョコバー、きっちりレーベル番号Lazy 010(限定2000個)となっているのでコレクターさんはたいへんです。現物見たことないし、どんな方法で配布されたかも不明(このシングルとセットで配られたとの疑惑もあり)。

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