2014年6月22日日曜日

第3回 V.A. - Shadow Factory : The Sarah Compilation


V.A. / Shadow Factory : The Sarah Compilation (SARAH 587 : 1988)

 Subway, Creation, Glassがらみのバンドが続いたので、ついでと言っては何ですがブリストルのSarahが最初に出したコンピLPを。
 この頃自分の田舎にはこのレーベルのシングルが入荷する事は無かったので、Sarahの音を聴くのは友人が買ってきたこのLPが初めてでありました。最初聴いた時にはこれがコンピレーションだと気付きませんでした。あまりに全バンドそろってヘタだったから。素人目にもヤル気があるとは思えないジャケットデザインに真っ黒けのレーベル。けど、繰り返し聴いていると何故か妙に愛着がわいてくるレコードでした。
 Sarah所属のバンドもライヴでいくつか見ることができました。デプトフォードにあるパブの2階、8畳ほどの狭いスペースにファウンテンという名のクラブがあり、そこで見たSea Urchinsのライヴが印象に残ってます。オープンよりかなり早い時間に着いてしまい、中を見るとバンドはリハーサル中。自分はまるで英語を話せなかったので連中が何を話しているのかとかサッパリわかりませんが、厚かましくも中に居座って見させていただきました。このクラブのドラムセットはきちんと固定されていなかったのか、演奏中バスドラがどんどん前に出て行くのでヴォーカルが足で押さえつけていました。ライヴ終盤では演奏にも力が入りすぎたのか、スタンドから外れたシンバルが前方のヴォーカルを直撃といった場面もあり、微笑ましいのかワイルドなのかよくわからんライヴでした。この時のライヴでも"Dizzy Miss Lizzy"とかやっていて60年代ロック好きだとはわかっていましたが、その後見たときにはギターの奴がJohn's Childrenのコスプレで"Desdemona"を歌っていました。
 話がそれてスミマセン。レコードの紹介続けます。ちなみに今回のレコードはテスト・プレス盤です。まずはレーベル写真から。
 これをお持ちの方はご存知のとおりこのLP、AB面間違ってプレスされています。それはこのテストプレスも同様です。リリースされたレコードのレーベルが真っ黒けだったのもこの辺に理由があったのかもしれません。後にジャケデザインを変更して再発した時にはちゃんと印刷したレーベルが付けてありました。
 Cartelが発行したプレス・シート。
 ジャケットの試し刷り。よく見ると発売されたLPの裏ジャケ左上部にあったレコード番号がありません。
 わかりにくくて申し訳ないのですが、こちらはその裏ジャケ左上付近を撮影。このLP背表紙もないし、レーベルも真っ黒。つまり(バーコード部以外)レコード番号がどこにも印刷されてないので、ディストリビューターあたりに怒られてあわてて番号を入れたのではと想像されます。
 Heavenlyのデビューシングル(SARAH 30)以降、かねてより卸し屋に嫌われていた手作り感あふれるラップアラウンド・スリーヴをやめてしまってから自分にとってはあまり魅力の無いレーベルとなってしまいました。自分が単にラップアラウンド・スリーヴ・フェチなだけなんでしょうけど。

2014年6月16日月曜日

第2回 The Servants - Disinterest


The Servants / Disinterest (Paperhouse PAPLP 005 : 1990)

 いわゆるC86系のバンドで個人的に一番好きだったバンド。10年近く前にも未発表曲を含むCDがチェリー・レッドから出たりしてましたが、ここ数年再評価されたんでしょうか(?)初期シングル集や未発表曲集とか出てます。85年結成でC86にのっかって、デビューまではとんとん拍子で活動していたのですが、その後バンドの歴史はこれでもかというほどの不運の連続。今回ご紹介します90年リリースのファーストにして、活動中唯一のアルバムもなぜかいまだに廃盤状態であります。前回同様、こちらも白ラベルのサンプル盤です。
素っ気無いホワイトレーベルにタイトル、バンド名。ところがこれ誤ってB面にスタンプ。
その後間違いに気付いたのかA面側には手書きでタイトル書かれてます。
こちらはそのプレスシート。これに書かれたバンドのバイオグラフィーが結構悲惨で、若干のフィクションを交えつつも、そのほとんどは現在ウィキペディアなどに書かれているものと同じです。
ちなみにジャケの試し刷り(プルーフスリーブ)も付いてます。
91年8月コヴェントガーデンで彼らのライヴを見た。お客さんもまばらだった。ライヴ前トイレで用をたしていると横にはLuke Hainesが。ライブでは初期のシングル曲も演奏され大変よかったと記憶してます。David Westlakeに、つたない英語で「次はいつライヴやるの?」とたずねたら、今のところ予定は無いとか返事されたと思う。本当に間のぬけた質問だったわけでして、その日が彼ら最後のライヴとなったと知ったのは最近の話です。
 日本ではApple Boutiqueのほうが知名度高いのでしょうか。サーヴァンツの事が書かれた媒体を目にする事は今だ皆無。オトゥールズがブレイクした時は再評価も進むと思ったのですがそれすらなかった。また近いうちにサーヴァンツのレコードをレビューする機会があると思いますので、彼らのディスコグラフィーやバイオグラフィーはその時また。

2014年6月10日火曜日

第1回 Razorcuts - Storyteller

 日本のお店でホワイトレーベル盤というとたいがいDJに使い勝手の良い、もしくは自分にはまるで縁のないヒップホップなどのブート盤をさすのがほとんどですが、80年代以降、イギリスのインディーレーベルはレコード発売前のプロモーション用ホワイトレーベルを関係者にかなり大量に配っていたのか、それがそのまま中古盤屋に並んでいました。
 たぶん、関係者に配られた時にはプレスシートないしはジャケのプルーフスリーブ(ジャケットを試し刷りしたもの)とか付いていたのでしょうが、店頭に並んだときにはどっかにそんなものは消え去ってしまい、売ってる側でも何のレコードかわからなくなっているなんてのも多数でした。
 まあレコードについての大事な情報を印刷したレーベル部分が真っ白けで、ジャケも無いとなると通常だったら購買意欲はだだ下がりとなります。ところがコレクターという人種は業が深いのか、自身がコレクトしている対象のレコードがひととおり集まってしまうと今度は、こんなものでも血眼になってみつけようとしてしまうものなんです。
 正直自分はあまりたいした物を集めているわけではありませんが、80~90年代インディーポップ系のホワイトレーベルないしはテストプレス盤でちょっと変わった盤が何枚かあったのでそれをネタにブログでも書いてみようかと思ったわけなのであります。まあ、あっという間にネタも尽きるでしょうからあんまり長続きもしないかもしれませんが、よろしかったらたまに覗いてやってください。 で、第一回目はレイザーカッツのファーストアルバム"Storyteller"です。


Razorcuts / Storyteller (Creation Records CRELP 026 : 1988)

 サブウェイからデビューして云々といったバンドのプロフィールは他のサイトで皆さんさんざんごらんになったと思いますので割愛。ここではレコードの外見第一(それも真っ白けの盤)で話を進めますんでよろしく。
  さて盤面の方ですが、ごらんのとおり真っ白けで誰が書いたかもわからぬ字でタイトルが書かれているのみです。これだけだと本当にしょうもないレコードなんですが、問題はいっしょに付いていたプルーフスリーブの方であります。
ご覧のとおり印刷の発色がかなり変です。というか、これ中に入っていたシートの試し刷りだったのでしょうか?リリースされたものが茶色を基調にしたもので、ぺらぺらの紙両面に印刷されたものに対しこれは横長の紙一面に印刷されています。
これを見ているともしかして本来はWジャケ仕様で製作するつもりで、インナーシートの部分はその内ジャケになるはずだったのかしらといった本当にどうでもいい妄想で頭がいっぱいになるのであります。
ついでと言ってはなんですが、ブ顔全開のプロモ用写真付きです。このアルバム、近年ボーナストラック付きでCD再発されてたんですね。最近この手の情報全くチェックしてなかったのでまるで知らなかったわ。
 こんな調子で毎回絵的にツライ白ラベルの盤を中心にのっけていきますのでどうかよろしく。