2014年10月29日水曜日

第14回 Darling Buds - Shame On You


 Darling Buds / Shame On You (Naitive NTVLP 44 : 1990)

 女性ヴォーカルのバンドが続きます。今回はエピックのプッシュにもかかわらず思うようにブレイクできず気が付けば消えていたこの人達、ダーリン・バッズです。いわゆるクラブ・ヒットになった"Burst"とかキャッチーな曲が多くてけっこう好きなバンドだったのですが、メジャーに移籍してから良いレヴューを見かける事は一度としてなかったと思います。イギリスのプレスはバンドがメジャーに行ったとたんにこき下ろすのが伝統だったので、それはそれでいつもの事だと読み手としては思っていました。やっている当人達にとってみればたまったものじゃないでしょうが。
 この人達もプリミティヴズ同様限定仕様シングルを出しまくってまして、カラー・レコード、箱入り、布地スリーヴ仕様などありました。
今回ご紹介するのはインディ時代のレーベルNaitiveが90年にリリースした同レーベル在籍時のシングル曲集。2枚のシングルしか残さなかったレーベルなんですが、このアルバムにはメジャーでのデビュー・ヒットとなった"Burst"のデモ・ヴァージョンとか入っていて、このあたりお好きな方にはマストな1枚です。
配給もとのRevolverによるプレス・シートです。まあ、たいした事書いてありません。
レーベルは例によって真っ白け。ホワイト・レーベル盤です。

2014年9月13日土曜日

第13回 Baby Lemonade - One Thousand Secrets


Baby Lemonade / One Thousand Secrets (DDT DISPLP 22 : 1988)

 日本においてBaby Lemonadeと言えば、シド・バレットの有名曲ではなく、ましてやラヴのアーサー・リーと共演していたLAのバンドなどではあろうはずもなく、グラスゴー出身のインディ・ポップ・バンドである彼ら(彼女ら)を指す。たしかSha-La-Laでソノシートを1枚、Narodnikからシングルを1枚、そして今回紹介するアルバムが彼らの全ディスコグラフィーだったと思います。
 女性ヴォーカルのネオアコというとこのアルバムをフェイヴァリットにあげる人も多いかも。学生の頃友人と隣の県までレコードを買いに行った際、友人からフールズ・メイトに載ってたとか言われて買ったと思う。全8曲本当にあっという間に終わるコンパクトなアルバム。



  そういえばテスト・プレス盤あったっけと思い引っぱり出してきたのがこれ。

発売されたレコードと見比べることがなかった為つい最近まで気付かなかったのですが、裏ジャケのデザインが異なります。青みをペーストするの忘れただけなんでしょうけど。

2014年9月3日水曜日

第12回 The Primitives - Earth Thing

セカンド・アルバムも期待されたほどのセールスを獲得できず、バンドの先行きも混沌としていきます。時は90年代に突入し、Stone Roses, Happy Mondaysといったマンチェスター勢などクラブ対応可能な音がインディ・チャートにも増えていきます。プリミティヴズもこの動きに乗っかるべきだと判断したのか90年の終わり頃にこのシングルをプロモ・オンリーでDJを中心に配布。それによるクラブ等での反応を期待したみたいなのですが、何のリアクションも得られず、哀れ"Earth Thing"は1年あまりリリースを放置されてしまいます。その後91年10月頃にリリースされたものの、シングルのタイトルは"Spells"とされA面曲である"Earth Thing"のタイトルはジャケの端っこに消え入りそうなほど小さい文字で書かれていました。
The Primitives / Earth Thing (RCA LAZY 23 : 1990) 
 90年に配られたプロモオンリー12シングル。かなりの数が中古盤屋へ直行していたと思う。
The Primitives / Spells (RCA PT 44978DJ : 1991)
 こちらは翌年にリリースされた"Spells"の先行プロモ・シングル。
The Primitives / Earth Thing (RCA LAZY 23 : 1990)
 90年に配布されたプロモ・オンリー・シングルのテスト・プレス盤。クレジットにプリミティヴズの名がありません。曲名アーティスト名共に"Earth Thing"と解釈させられるようなクレジットになってます。もしかすると、当初プロモ盤は匿名で配布するつもりだったのではないかといった想像もさせられます。それだけ曲そのものの出来に自信ががあったという事でしょう。個人的には好きな曲でありますが、世間的には極めて今さらな曲だったのも事実でありまして、バンドが世の中と明らかにづれきているのに本人達はたぶん全く気付いていないのではと思うと正直つらかった。

2014年8月24日日曜日

第11回 The Primitives - Crash

この曲に限った話ではないのですが、80年代末の英国盤新譜を買う時には困ったリリース傾向が横行しておりました。つまり、ファンは同じシングルを何種類も買わされるという、どっかのアイドルの握手券がどうのといった話を笑えない商売にのせられまくっていたのです。イギリスのシングルチャートはフォーマットが異なっても同じ1枚のシングルとしてカウントするという方法だったらしく、それなら同じシングルを数種類(例えば、限定カラーレコード、ポスター付き、ゴミのようなバッジ付etc.)出せばファンは全部買ってチャートにも入るとレコード会社が考え、実際いくらかの効果があったという事でしょう。90年代以降CDがフォーマットの中心となり、アナログ盤を数種類製作するコストの高さもネックとなった為このようなリリース形態は廃れてしまいましが、現在でもよく見かける「初回のみDVD付き」とかいった商売の根っこはこの辺にあるのでしょうか?
そして今回のプリミティヴズです。この人達もこの手の売り方におもっいっきり乗っかっておりまして、イギリスで出た"Crash"アナログだけでも6種類。当然自分の田舎にそんなものが入ってくるわけもなく、彼らの人気もピークの頃だったので買うのも結構手間でした。
それで集まったのが上の6枚左上から順にレギュラー盤7インチ、限定33EP盤(A面にCrashが"again & again"とクレジットされ連続3回再生される)、レギュラー盤12インチ、下段左から限定ポスター付き12インチ、限定10インチ、限定サイン入り10インチとなってます。
12インチに収録されたデモ・ヴァージョンを聴くと、このアレンジでは売れなかっただろうし、当時のバンドではこのイントロを思いつかなかったのは明白であります。実際、ヒット曲にはイントロも大事だとプロデューサーのPaul Sampsonがアレンジしてくれたものらしい。曲のヒットを左右した部分を作ったにもかかわらず、プロデュースが自分の仕事だからと作曲のクレジットは要求しなかったそうです。その後彼らをプロデュースしたIan Broudieあたりとは違います。まあどちらが良い悪いという話ではないのですが。
 今回、このブログの趣旨から外れた話が長くなりましたが、ホワイト・レーベル盤もあります。
The Primitives / Crash (RCA PB 41761 : 1988)
 空ジャケットにそっけないPrimitives / Crashのスタンプ。盤は白ラベルと当時の人気を考えるともうちょっとギミックのあるプロモキットとか作ってないのと思ってしまうほど、メジャーとしてはシンプルな盤。"Crash Chocolate Bar"にプロモキット作成費用つっこみすぎたのでしょうか?このチョコバー、きっちりレーベル番号Lazy 010(限定2000個)となっているのでコレクターさんはたいへんです。現物見たことないし、どんな方法で配布されたかも不明(このシングルとセットで配られたとの疑惑もあり)。

2014年8月17日日曜日

第10回 The Pastels - Songs For Children


The Pastels / Songs For Children (Overground OVER 06 : 1989)

 オリジナルは82年ダン・トレーシーのWhaamからリリースされたもの。結構レアなシングルで、残念ながら私持ってません。今回紹介するOverground盤は、たぶんそのオリジナル盤よりさらにレアな84年Villa 21からリリースされた再発盤のリイシューになります。この再(再)発盤、ジャケデザインは同一なのですがB面収録曲がVilla 21のものとは異なります。
盤面は真っ白け。通常カラー・レコード(ブルーかグリーン、他の色もあるのでしょうか?)なので黒盤は逆に数が少ないかも。
プルーフ・スリーヴが付いていたのですが、これがリリースされたものとは色が全く違います。先のVilla 21盤のスリーヴにより近い色合いとなっています。色を変更したのはVilla 21盤との混同を嫌った為でしょうか?
 結構仕事っぷりが雑だなあと思わされる事も多々あったレーベルでしたが、Richard Hell / Neon Boysのシングルで未発表曲を発掘したりと無視できない存在でした。もう最近は活動してないのでしょうか?

2014年8月10日日曜日

第9回 Jesus And Mary Chain - Upside Down


Jesus And Mary Chain / Upside Down (CRE 012T : 1984)

 プライマル・スクリームの次はやっぱこの人達かなということで、ジーザス・アンド・メリー・チェインです。クリエイションの知名度をワールドワイドなものに押し上げた1曲。両面アルバム未収録だった事もあり、結構大事に聴いてました。ピンク・フロイド未発表曲"Vegitable Man"もB面収録のカヴァーで知りました。
西新宿某レコード店から通販で買った海賊盤シングルのB面に入っていたのが"Upside Down"のデモ・ヴァージョン。そのクレジットを見ると発売中止になった12インチ・シングルからのコピーだとか。当時は「そーですか」程度の感想だったのですが、それから数年後に現物買っちゃってました。
まあ現物の写真はこのとおりです、ハイ。空ジャケすら付いていないホワイト・レーベル盤で、CartelのからみかRough Tradeが何枚も在庫を持っているみたいでした。プレス・シート、プルーフ・スリーヴの類が付いたこの12"シングルは見たことないので、白ラベル盤は大量にプレスしたものの、かなり早いうちに発売中止が決まって関係者への配布もほとんどなされなかったのではないでしょうか?それでもプレスされた白ラベル盤を廃棄するのはもったいないので、頃合を見計らってRough Tradeでこっそり販売とあいなったのでしょう。
こちらは通常盤7インチ。ジャケのバリエーションが結構多いシングルなんで全部買っておけばよかったと思う今日この頃。

2014年8月3日日曜日

第8回 Primal Scream - Dixie-Narco EP


Primal Scream / Dixie-Narco EP (Creation : 1992)

  "Screamadelica"とかまるで聴かなかったのですが、"Movin' On Up"好きだったのでこのEPは買いました。で、実はこのシングル、プロモ盤のバリエーションが結構ありますので今回はそれについて書きます。
Primal Scream / Dixie-Narco EP (CRE 117TP : 1992)
 この頃クリエーションがプロモ・サンプル用に付けていたカスタム・スリーヴ入り。プロモオンリーなA面"Movin' On Up"B面"Screamadelica"1曲づつ収録という音質重視なつくり。
プルーフ・スリーヴも付いていました。
Primal Scream / Dixie-Narco EP (CRE 117P : 1992)
 こちらはプロモオンリー7インチ・シングル。タイトルに「EP」と付いてますが、上記12インチと同じカップリング仕様の2曲入りになってます。

裏ジャケもバーコードが無く、プロモ・オンリーなジャケになってます。くどい事にもう1種類あります。
Primal Scream / Movin' On Up b/w Loaded (CRE 117D : 1992)
 イギリスのパブにおかれていたジューク・ボックス用に作った7インチ・シングル。イギリス市場向けなのに(プレスはフランス)ラージ・センター・ホールなのはジュークボックス仕様の為。この類のシングルはよく駅前のタバコ屋とかに25ペンスくらいで売られてました。90年代以降、日本にもかなりの数と種類が輸出されてます。

2014年7月26日土曜日

第7回 Primal Scream - Ivy Ivy Ivy


Primal Scream / Ivy Ivy Ivy (CRE 067T : 1989)

  メジャーからのファーストも当時の日本ではリリースされなかったものの、それなりの知名度を一部で獲得。その後クリエーションに復帰してすぐにリリースしたセカンド・アルバムからの先行カットとなったシングル。リリースされたばかりのこのシングルを買った友人がその足で私の家に来て見せてくれたんですが、それを見た私達の反応はかなり鈍いものでした。なにしろジャケ写から「モット・ザ・フープルですか?」な感じで、針を落としてみるとこれまた「モット・ザ・フープルですか?」な感じ。
 ザ・カルトがアメリカでも売れて、彼らを見たサーストン・ムーアが1度捨てたツェッペリンのLPを買いなおしたとかインタビューでも言っていた。そんな70年代型マッチョなロックの再評価という、あまりありがたくない風潮がイギリスを中心に広がり始めていた頃。それにガッツリのっかりました感がビンビンに出ていて正直勘弁と思いました。ネガティヴなことばかり書きましたが、曲自体は好きですし、逆に今となってはあんなにバンドの変化を好まないとか、実に自分は保守的な人間だと気付かされ反省しました。

さて、今回も"Mayking Records"製のテスト・プレスで12インチ盤です。レーベル部分にボビー・ギレスピーのサイン入りとなってるんですが、本物かどうかわかりません。

2014年7月18日金曜日

第6回 Primal Scream - All Fall Down


Primal Scream / All Fall Down (CRE 017 : 1985)

 85年のデビュー・シングル。学生の頃、友人がジーザス・アンド・メリー・チェインのドラマーがやってるバンドだよと教えてくれた。彼が聴かせてくれた曲は"Velocity Girl"だったと思う。あまりに短くしかも歌が素人同然じゃないかと思った。当時自分の田舎でCreationのシングルを買うのは無理だったので、遠出してこの曲が入ったコンピを買ってきたそうだ。本当にひどいジャケ("Purveyors Of Taste" CRELP - 010)で自分にとってこのレーベルの第一印象は最悪だった。
なんでわざわざ、ジザメリのドラマーごときがやっているバンドを苦労して探してきて聴こうとするの?それにこのレーベルどのバンドも音同じ、というかみんなヘタ。しかし、時はC86。Creation他イギリスには似たようなレーベルが乱立し始めていた頃です。気が付けば、いつのまにか自分もこの手の音を買いあさっておりました。
 この曲も何かのコンピで最初に聴いたと思うのですが、やっぱシングルが欲しいと思って買いました。初期クリエイションのシングル(ペラ紙2つ折りのアレ)は持っておかなきゃいけないという強迫観念もあったのかも。

それで今回のレコードですが、テストプレス盤です。いつもお約束の真っ白けでなくてごめんなさいです。この頃のインディーレーベルがよく利用していたと思われる"Mayking Records"製のテストプレス盤でプレス日付は85年4月16日。ジャケもプレス・シートも何も付いてません。

2014年7月10日木曜日

第5回 Primal Scream - Loaded



Primal Scream / Loaded (Creation Records CRE 070W : 1990)

 今回も有名どころでプライマル・スクリームです。当時彼らが所属したクリエーションはハウス・オブ・ラブをプッシュするのに忙しく、プライマル・スクリームらのプロモーションは後回しにされがちだったとか。そんな時にリリースされたのがこの曲で、ある意味その後のUKインディのあり方を決定づけた1曲ともいえるでしょう。
 この曲の歴史的意味とか個人的にはどーでもよいので、さっそくレコードのほうを見ていきましょう。
ハイ、見事に真っ白け。しかも盤を裏返すと・・・・・
音溝彫ってありません。(溝が無いため盤が鏡面になって、撮影した自分が映りこんでしまいました。ごめんなさい。)いわゆるワンサイデッド・シングルというやつです。そのため本来B面に収録されていた2曲 "I'm Losing More Than I'll Ever Have" "Rumblin' Rose"は未収録。
いちおう、プルーフ・スリーブも付いてました。発売されたものより紙質が薄手です。

 正直このシングル以降の彼らにはあまり愛着がありません。個人的にはこれ以前がすきだったんで、次回はその辺りのシングルをご紹介します。

2014年7月2日水曜日

第4回 Nick Lowe - Half A Boy And Half A Man


Nick Lowe / Half A Boy And Half A Man (F-Beat LOWE 1 : 1984?)

 あまりにマイナーな人選で開始1回目からすでに読者置き去りのこのブログ。少し反省しまして今回は多少なりとも名の知れた人をというわけでこの人、ニック・ロウをチョイス。
 80年代後半頃日本で再評価熱が高まり結構みんな聴いていたと思うのですが、今ではすっかり枯れちゃって、ここ20年くらい新譜は出ても聞いてません。ごめんなさい。
 もう何年もご無沙汰でとてもファンとはいえない私であります。かつてStiff, Rader, F-Beat時代のレコードやソロ、ロックパイル以前のブリンズリー・シュウォーツ、キッピントン・ロッジのレコード等も買い集めてたんですが、何といったらいいんでしょう、ある日突然醒めるんですよ。熱病から。
出ているレコードを完全に集めたわけではないのですが当面目標にしていたものが集まってしまうと、なんだかしらけてしまうのは男の性なんでしょうか?
 さて実はこのEP、その正式なタイトルも正直わかりません。84年当時の新作アルバム "Nick Lowe And His Cowboy Outfit" プロモーション用に製作されたとおぼしき4曲入りEPで、収録曲は以下のとおり。

A1. Half A Boy And Half A Man
A2. Breakaway
B1. God's Gift To Women
B2. Live Fast Love Hard

 20年近く前に通販で買いまして、最初1曲目を聴いた時は"Half A Boy And Half A Man" (F-Beat XX 34) のホワイト・レーベルかと思ったのですが、収録曲も違うし曲数も多い。チェーン・ストア用のフリービーか、それとも音楽雑誌のオマケにでもするつもりだったのか、その製作意図は今だ不明。どなたかご存知の方いらっしゃったらぜひご教授の程よろしくお願いします。
おっと、レコード盤の写真を載せるの忘れてました。
ハイこのとおりクリーム地のラベルには何も書いてありませんし、プレスシートの類もいっさい無し。この状態で店頭にあってもそりゃ誰も買いません。
 ニック・ロウ関係、各国盤シングルのお話等また別の機会にちょこちょこと書きます。

2014年6月22日日曜日

第3回 V.A. - Shadow Factory : The Sarah Compilation


V.A. / Shadow Factory : The Sarah Compilation (SARAH 587 : 1988)

 Subway, Creation, Glassがらみのバンドが続いたので、ついでと言っては何ですがブリストルのSarahが最初に出したコンピLPを。
 この頃自分の田舎にはこのレーベルのシングルが入荷する事は無かったので、Sarahの音を聴くのは友人が買ってきたこのLPが初めてでありました。最初聴いた時にはこれがコンピレーションだと気付きませんでした。あまりに全バンドそろってヘタだったから。素人目にもヤル気があるとは思えないジャケットデザインに真っ黒けのレーベル。けど、繰り返し聴いていると何故か妙に愛着がわいてくるレコードでした。
 Sarah所属のバンドもライヴでいくつか見ることができました。デプトフォードにあるパブの2階、8畳ほどの狭いスペースにファウンテンという名のクラブがあり、そこで見たSea Urchinsのライヴが印象に残ってます。オープンよりかなり早い時間に着いてしまい、中を見るとバンドはリハーサル中。自分はまるで英語を話せなかったので連中が何を話しているのかとかサッパリわかりませんが、厚かましくも中に居座って見させていただきました。このクラブのドラムセットはきちんと固定されていなかったのか、演奏中バスドラがどんどん前に出て行くのでヴォーカルが足で押さえつけていました。ライヴ終盤では演奏にも力が入りすぎたのか、スタンドから外れたシンバルが前方のヴォーカルを直撃といった場面もあり、微笑ましいのかワイルドなのかよくわからんライヴでした。この時のライヴでも"Dizzy Miss Lizzy"とかやっていて60年代ロック好きだとはわかっていましたが、その後見たときにはギターの奴がJohn's Childrenのコスプレで"Desdemona"を歌っていました。
 話がそれてスミマセン。レコードの紹介続けます。ちなみに今回のレコードはテスト・プレス盤です。まずはレーベル写真から。
 これをお持ちの方はご存知のとおりこのLP、AB面間違ってプレスされています。それはこのテストプレスも同様です。リリースされたレコードのレーベルが真っ黒けだったのもこの辺に理由があったのかもしれません。後にジャケデザインを変更して再発した時にはちゃんと印刷したレーベルが付けてありました。
 Cartelが発行したプレス・シート。
 ジャケットの試し刷り。よく見ると発売されたLPの裏ジャケ左上部にあったレコード番号がありません。
 わかりにくくて申し訳ないのですが、こちらはその裏ジャケ左上付近を撮影。このLP背表紙もないし、レーベルも真っ黒。つまり(バーコード部以外)レコード番号がどこにも印刷されてないので、ディストリビューターあたりに怒られてあわてて番号を入れたのではと想像されます。
 Heavenlyのデビューシングル(SARAH 30)以降、かねてより卸し屋に嫌われていた手作り感あふれるラップアラウンド・スリーヴをやめてしまってから自分にとってはあまり魅力の無いレーベルとなってしまいました。自分が単にラップアラウンド・スリーヴ・フェチなだけなんでしょうけど。

2014年6月16日月曜日

第2回 The Servants - Disinterest


The Servants / Disinterest (Paperhouse PAPLP 005 : 1990)

 いわゆるC86系のバンドで個人的に一番好きだったバンド。10年近く前にも未発表曲を含むCDがチェリー・レッドから出たりしてましたが、ここ数年再評価されたんでしょうか(?)初期シングル集や未発表曲集とか出てます。85年結成でC86にのっかって、デビューまではとんとん拍子で活動していたのですが、その後バンドの歴史はこれでもかというほどの不運の連続。今回ご紹介します90年リリースのファーストにして、活動中唯一のアルバムもなぜかいまだに廃盤状態であります。前回同様、こちらも白ラベルのサンプル盤です。
素っ気無いホワイトレーベルにタイトル、バンド名。ところがこれ誤ってB面にスタンプ。
その後間違いに気付いたのかA面側には手書きでタイトル書かれてます。
こちらはそのプレスシート。これに書かれたバンドのバイオグラフィーが結構悲惨で、若干のフィクションを交えつつも、そのほとんどは現在ウィキペディアなどに書かれているものと同じです。
ちなみにジャケの試し刷り(プルーフスリーブ)も付いてます。
91年8月コヴェントガーデンで彼らのライヴを見た。お客さんもまばらだった。ライヴ前トイレで用をたしていると横にはLuke Hainesが。ライブでは初期のシングル曲も演奏され大変よかったと記憶してます。David Westlakeに、つたない英語で「次はいつライヴやるの?」とたずねたら、今のところ予定は無いとか返事されたと思う。本当に間のぬけた質問だったわけでして、その日が彼ら最後のライヴとなったと知ったのは最近の話です。
 日本ではApple Boutiqueのほうが知名度高いのでしょうか。サーヴァンツの事が書かれた媒体を目にする事は今だ皆無。オトゥールズがブレイクした時は再評価も進むと思ったのですがそれすらなかった。また近いうちにサーヴァンツのレコードをレビューする機会があると思いますので、彼らのディスコグラフィーやバイオグラフィーはその時また。